青の6号

The end meets the beginning.

プラトンとプランクトン4を読んで(4)

「へびのまぶた」を読んだ。

 

爬虫類にはまぶたはないのか? 思わずググる。すると「意外と知らない、ヘビにはまぶたはない」的なサイトがたくさん出てきた。そして、トカゲはまぶたがあり、まばたきをするが、ヘビにはまぶたがないため、まばたきをしない、のだそうだ。ヘビの目の表面には角膜の面に透明な鱗が並べられているのだそうだ。

「へびゆうんは、悲しい生き物やねん」

と「わたし」の祖母は言う。人間様をそそのかしたことが原因で、神にまぶたを引き剥がされたのだと。目を閉じることができないへびは、「ずっと見続けな」いとだめな生態となった。目を閉じられないことの悲しさ。

次第に明らかになっていく姉の様子が僕の頭の中で映像化される。それは僕にとって特に異様なものではない。むしろ(僕には姉や兄がいないので、よくわからないが)「わたし」の姉に対する畏怖が感じられる。

このストーリー全体に施される短く続く体言止めは緊迫感を与える。現実からレナさんの考える世界との橋渡しの役目をしていると感じた。そして短く切り取られた章立ても効果的だ。

風呂場でと、と、と水が水面を叩く音がする。

あれは現実だったのか、それとも白昼夢だったのか。その先はわからない。人はすべてを目にし、すべてを耳にし、すべてを感じとってはいけないのだ。

見続けなければならない目は何を象徴しているのだろうか。閉じたいのに閉じられない様はこちらまで苦しくなってくる。

 

ところで僕は小学生のころ、こんな経験をしたことがある。
ある日、突然視界のまわりが薄暗くなった。それを母親に訴えると私は眼科に連れていかれ、すぐに手術することになった。小さな小さな鉄片が目に入り、どうやら目の裏側に移動してしまったらしい。目に麻酔をかけられ手術となったが、痛みがないままに、そのまま目を触られるのは恐怖だった。痛みはないのに何もかも「見える」恐怖だ。先生のぼんやりとした白い影、メスらしきものが目に入る瞬間、天井のぼやけたライト。今もその感覚は思い出せる。